今回は、「朝から晩までつぶやく英語表現200」をご紹介します。
本書は、著者のキャサリン・A・クラフト氏自身が、日本語を習得した際、「四六時中、心に浮かんだことを日本語でつぶやいていた」という実体験に基づいて、英語を「勉強」するのではなく、朝から晩まで思ったことを呟く(=日常の「独り言」として取り入れる)ことが、「英語上達の近道」というコンセプトで書かれた一冊です。
著者は日本在住歴が長く、日本人が間違いやすいポイントを熟知されていて、本書は「かゆいところに手が届く」ような、日本人の生活スタイルに合った表現が厳選されている点が秀逸です。

構成
本書の構成と内容は、以下の通り、全10章で構成されており、シチュエーションごとに計200のフレーズが紹介されています。
目次
第1章 気持ち・感情
第2章 自宅で
第3章 家事
第4章 街で
第5章 会社で
第6章 食事・レストラン
第7章 ショッピング
第8章 ドライブ
第9章 天気
第10章 体調・病気
こんな人におすすめ
・英会話を学んでいるけれど、自分の思ったこと、言いたいことがすぐに英語のフレーズで出てこないという人
・英語の資格試験(リーディング・リスニング)は得意で、周囲からは「英語ができる人」と思われているが、会話は苦手という人
・「教科書的な硬い英語」や「文法的には間違っていないけれどもネイティブからすると不自然な英語」から脱して、ネイティブの自然な英語表現を身に付けたい人
レビュー
私自身、アメリカに留学経験(語学留学 & 四年制大学編入・卒業)があり、留学中に覚えたフレーズも載っていましたが、知らないフレーズの方が多かったです。
「英語表現・英会話フレーズ集」の本は、今までに他にも数冊読みましたが、それらに収録されている表現は知っているものも多かったのですが、本書には、簡単な単語で構成されているのに、知らない表現が沢山載っていて、自分の英語表現とネイティブの自然な英語表現のギャップに結構ショックを受けました。
それらの英語フレーズを見たら、意味は分かるのですが、初見でその和訳を見て、そこに掲載されている英語表現が自分の口から出てくるかと問われれば、「答えはノー」というようなフレーズが多かったです。
つまり、どれも短い簡単なフレーズなのですが、ネイティブのナチュラルな表現であり、英語がある程度話せる人であっても、その表現を使ったことがなければ、口から出てこないような会話表現が満載ということです。
留学や仕事などで数年間、英語圏の国に住んでいても、いつもネイティブと行動を共にしていないと、知ることがないような表現が多いという印象を持ちました。
本書に収録されている英語表現から、英語と日本語の文化的・言語的な大きな違いを改めて痛感させられました。
洋画や海外ドラマなどの会話中に出てくるフレーズがよく分からないという人も、こういったネイティブの会話表現を実際に何度もつぶやいて、会話フレーズのストックを増やしていくことによって、リスニング力とスピーキング力の向上といった効果が期待できるのだと思います。
こういったフレーズは、英語の資格試験では、ほとんど目にすることがなく、一般的な英語学習参考書や各種英語資格試験対策本などからでは、ほぼ学ぶことができないことがよく分かりました。
本書は、フレーズ紹介だけでなく、その解説の中で、文法的には間違っていないけど、ネイティブにとっては不自然な、日本人が日本語の表現をそのまま英訳したような表現や、間違った英語表現などについての指摘もあり、とても参考になります。
また、各章の合間のコラムも興味深く、楽しめる内容となっています。
著者の日本文化への理解が深いため、「そうそう、それが言いたかった」という感じの痒いところに手が届くような英語表現が数多く収録された一冊です。
試験英語は得意でも、会話が苦手な日本人が多い理由の一つは、ネイティブが使う自然な英語表現の脳内ストックの不足だということを、本書を通じて確信しました。
本書のメリット・デメリット
メリット
① 携帯性
新書なので、サイズ的に携帯しやすく、通勤・通学の電車などでの移動中に読むのにも適しています。
② 視認性
「黒」と「緑がかった落ち着いた青色」の2色刷りで、見やすく、視認性が高いです。
デメリット
音声ファイルがない
音声CDや音声ファイルがないのが残念な点です。
音声があれば、「聞き流し」をしたり、音声に合わせた「オーバーラッピング」や「シャドーイング」ができたりして、より会話練習がしやすくなるのにと思いました。
まとめ
「朝から晩までつぶやく英語表現200」は、一気に読んで知識を増やすといった類の本ではありません。
掲載されている表現を、毎日少しずつ、日常生活の中で自分が発する場面を想像しながら、実際につぶやいてみることを何度も繰り返すという使い方がおすすめです。
It is never too late to mend.
悔い改めるのに遅すぎることはない(過ちては改むるに憚ること勿れ)
