留学経験者目線で考える「語学留学のメリット・デメリット」【後編】

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留学・海外生活

前回記事の続きです。


前回は「語学留学のメリット」についてご紹介しましたが、今回は「語学留学のデメリット」について書きます。

語学留学のデメリット

① 費用がかかる

語学留学をすれば、「語学学校の学費 + 生活費 + 交際費・娯楽費 + その他の費用」がかかります。

現在の世界と日本の経済状況を考えると、正直な話、(特に欧米への)語学留学はコストパフォーマンスが非常に悪いです。

日本人の平均年収は、ここ30年ほど横ばいでほとんど上がっていませんが、世界中の多くの国と地域では、物価の上昇が続いていて、それに伴い平均賃金、平均年収も上がっています。

特に他の先進国の平均年収と比較すると、現在の日本の平均年収は、下位に位置します。

さらに今年2022年に入ってからの歴史的な円安が、それに拍車をかけています。

約20年前に私はアメリカの語学学校と四年制大学に留学しましたが、今の状況で留学するとしたら、費用の面でアメリカ留学は断念せざるを得ないと思います。

語学留学であれば、今ならフィリピンやフィジーなどアジアやオセアニアの学費・生活費が安い国の語学学校に行く方が、コストパフォーマンスは圧倒的に良いです。

もし、私が、今から語学留学をするとしたら、それらの国の語学学校を選びます。

私の周りにもフィリピンに語学留学した友人・知人が何人かいますが、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアなどに語学留学した人たちと英語の上達に差があるかと言えば、全くそんなことはありません。

むしろ、フィリピンの語学学校の方が、アメリカの語学学校よりも優っていると思った点もあります。

フィリピンに短期留学した私の友人の一人は、語学学校の最初のレッスンで、英語教師から「あなたの英語の発音は悪い」と、はっきり指摘されたそうです。

その友人は「最初はすごくムカついたけど、その指摘を受けてから、それまであまり意識していなかった発音に気をつけるようになった」と言っていました。

一方、欧米の語学学校の多くは、良くも悪くも教育ビジネスの側面が強く、生徒(=お客様)に向かって、生徒の英語の改善すべき点を、上記のような直截な言い方で指摘するようなことは、ほとんどありません。

② 語学学校によって当たり外れがある

語学学校の英語教師の質は、ピンキリです。

もちろん、同じ語学学校の中でも、個々の英語教師で「言語(学)としての英語に対する知識」、「英語教授法の知識」、「教え方の上手い下手」などに差があります。

しかし、それ以上に、評判の良い語学学校は、全体的に英語教師の質が高く(採用基準が厳しい?)、その逆に、評判の悪い語学学校は、英語教師の質が低い傾向にあるように見受けられます。

また、語学学校の良し悪しを決める要因は、「英語教師の質」以外にも、「カリキュラムの質」が大きく影響しているように思います。

私の留学生仲間の中には、(理由は人それぞれですが)他の語学学校から転校してきた人もいれば、逆に、他の語学学校に転校していく人もいました。

アメリカで同じ語学学校にいた日本人留学生で、他の州の語学学校に転校した人は、「英文法についてまともに説明できないどころか、生徒から文法的な間違えを指摘されるようなトンデモ教師までいて、正直ビックリだよ」と、転校先の語学学校の教師の質の悪さを嘆いていました。

また、日本人留学生が多い語学学校だと、日本人同士でつるむようになり、全く英語力が伸びない人もいます。

実際、私が通っていた語学学校にも、2年以上も在籍していて、コミュニティカレッジ(二年制大学)の入学条件を満たすだけのTOEFLスコアさえも取れないような日本人留学生が数人いました。

私のルームメイトだったブラジル人留学生の話では「以前、4年以上もアメリカにいて、ロクに英語が話せない日本人留学生がいた」と苦笑していました・・・

③ 自分の目的と語学学校の方針が一致しない場合がある

私が通っていた語学学校のディレクター(= 語学学校のトップ;教務部長)は、「何故、日本人や韓国人の留学生はTOEFLスコアにこだわるのか?理解できない」とよく言っていました。

そのディレクターからすれば、「語学留学の主目的は、総合的な英語力を上げることや、英会話力を上げて、英語でコミュニケーションできるようになることじゃないの?」という考えなのだと思います。

一方、語学留学の先に英語圏の大学・大学院への進学を考えている留学生にとっては、一日でも早く、希望する大学・大学院の入学基準を満たすTOEFLスコアを取りたいと思うのは、当然のことです。

また、英語圏の大学・大学院への進学は考えていない、語学留学だけの人でも、語学留学した主な理由が「母国に帰国後、就職・転職で有利になるように英語力を上げるため」という留学生は多く、TOEFLのスコアも英語力の証明の一つなので、留学生たちが、TOEFLスコアにこだわるのも当然のことです。

その中でも、子供の頃から受験競争社会で生きてきた、日本人、韓国人、台湾人の留学生(特に韓国人留学生)は、各種英語資格試験のスコアを上げることを重視している人が多かったですが、私が通っていた語学学校のディレクターは、そういった東アジア特有の社会的背景までは理解していなかったようです。

私が通っていた語学学校は、アメリカの州立大学の付属の語学学校でしたが、アメリカ国内には、他にも私立大学の付属語学学校、民間企業が経営する語学学校があります。

語学学校によって、「コース」や「カリキュラム」は千差万別です。

フィリピンの語学学校などは、アジア(特に日本と韓国)からの留学生が多いため、TOEIC対策のコースを用意しているところも多いと聞きます。

実際、私の昔の職場の元同僚にフィリピンでの語学留学の経験がある人がいましたが、彼がフィリピンを留学先に選んだ理由は、「学費と生活費の安さ」で、語学留学の主目的は、「英語を話せるようになること」と「TOEICのハイスコア取得」だったそうです。

また、私の知人の一人は、カナダに語学留学しましたが、彼の入学した語学学校は、結構なスパルタ式のところだったようで、何かのメジャーな英語資格でハイスコア取得を目指すことを求められたそうです。

それから、アメリカのカリフォルニア州・ロサンゼルスの語学学校に留学した私の大学時代の友人は、留学前にアメリカの四年制大学に留学できるぐらいのTOEFLスコアを既に取得していて、留学先の語学学校では、ビジネス英語を学ぶ上級者向けコースに通っていました。

④ 社会人の語学留学は帰国後のキャリアのマイナスになる場合がある

前回記事の「語学留学のメリット」で挙げた、「現役大学生は帰国後の就職で有利になる場合がある」のとは逆に、社会人留学の場合、語学留学程度では、帰国後の就職・転職活動では、かえってマイナスになることもあります。

結局、日本の社会は、色々と変化しているように見えても、社会のレールから一旦外れた者には厳しいところは、昔から変わっていません。

そのようなわけで、会社を辞めて語学留学を考えている(特に30歳以上の)社会人の方は、慎重にご検討されることをお勧めします。

⑤ 日本国内の英語学習環境向上による語学留学の価値低下

今は、英語学習者の多様な英語学習の目的・ニーズに対応した「英語スクール」や「英語コーチングサービス」が日本国内に数多く存在し、しかも、通学不要の「オンラインスクール」、「オンライン英語コーチング」等もあり、語学留学の価値が相対的に下がっていることは否めない事実です。

インターネットの普及とそれに関連する技術が、あらゆる方面で英語学習環境の飛躍的な向上に大きな役割を果たし、英語学習についての有益な情報を容易に得ることを可能にしたことも大きいでしょう。

30歳前後の比較的若い世代の英語講師でさえも「自分の学生時代と比べると、今の英語学習環境はとても羨ましい」と言っている人がいるくらいなので、日本国内の英語学習環境は今後も良くなる一方でしょうし、一昔前と比べたら天と地ほどの差があることは間違いないです。

まとめ

以上、語学留学のメリット・デメリットを留学経験者目線でお伝えしてきました。

結局、やる気のある人は、留学しなくても英語力は伸びますし、その逆で、留学しても英語力が伸びない人もいます。(勿論、やる気のある人が留学すれば、より早く、飛躍的に英語力が伸びる可能性が高いことは言うまでもありませんが。)

語学留学した人でも帰国後、全く英語を使っていない人もいて、そういう人の場合、英語学習を続けなければ、せっかく身に付けた英語力もどんどん落ちていきます。

以前、アメリカ支局に数年間の駐在経験のあるテレビ局のアナウンサーの方が「日本に戻ってから、英語を使う機会がほとんどなくなり、どんどん忘れてしまっています」という話をしていたのを聞いたことがあります。

おそらく、アメリカ支局の駐在員に選ばれるような方であれば、優秀で、英語も元々得意なエリート社員だと思われますが、そのような人でも、日本に戻り、日常的に英語を使わない職場に異動して、数年経ったら、英語力は徐々に落ちていってしまうということです。

私が留学した約20年前やそれ以前は、留学する日本人の数が今よりも断然多く、「留学に対するフワッとした憧れ」から留学していた人も少なくありませんでした。

一方で、他国の留学生たちは、もっと現実的に留学を捉えていて、英語を学んで帰国した後の「将来的な明確なメリット」を意識して留学している人がほとんどでした。

「どうしても海外で英語を勉強したい、海外で生活したいが、お金もあまりない」ということであれば、年齢制限をクリアできる場合は「ワーキングホリデー」という選択肢もあります。

「語学留学」については、個々人の状況によって、メリットもデメリットも大きく変わってきますし、今はインターネットで検索すれば、語学留学に関する沢山の情報を簡単に収集できる時代なので、様々な観点から検討してみるのがよいでしょう。

特に、「『留学費用』と『時間(=留学期間)』に見合うか、または、それ以上のリターンが期待できるかどうか」という点については、よく考えてみることを強くお勧めします。

以上、今回は、留学経験者目線で考える「語学留学のメリット・デメリット」について、実体験を交えながらご紹介しました。

何かご参考になる点があれば幸いです。

Deep rivers move in silence, shallow brooks are noisy.
深い川は音を立てずに流れ、浅い小川はやかましい(浅瀬に仇波)


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