英検2級攻略法 ― その5(長文読解問題対策)

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英検

【本記事の対象英語レベル:TOEIC390点以上;英検準2級以上】

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英検2級攻略法の第5回目です。

今回は、「大問2:長文の語句空所補充問題・大問3:長文の内容一致選択問題(長文読解問題)の攻略法・学習法」をご紹介します。

【大問2:長文の語句空所補充問題の攻略法・学習法】

【大問2の概要】

大問2は、2つの長文が出題され、問題数は各長文に3問の合計6問です。

問題形式は、長文中の空所に、文脈に合う最も適切な語句を選択する「空所補充問題」です。

各長文は3段落構成で、各段落に空所があります。

【分析・所感】

大問2の長文は、大問3の長文と比べると、文章が短く、内容も簡単で、解答時間もそれほど掛かりません。

「大学受験英語を勉強中の受験生であれば、大問2の設問6問中、5問正解、または、全問正解できる人が多いのではないだろうか?」というぐらいのレベルの文章と設問です。

英検2級の一次試験合格の為には、大問2は、是非ともリーディングセクションでの得点源にしたいところです。

尚、「設問の選択肢の先読み」は、しなくてもよいと思います。

長文を読んで内容が理解出来ていれば、選択肢から正答を選ぶことは、難しくありません。

もし、選択肢で迷うとすれば、それは選択肢の文の難易度が高いのではなく、本文の内容が理解できていない(正しく読めていない)という可能性が高いです。

その理由は、設問の選択肢には、どれが正解か迷うような紛らわしいものは、ほとんどなくて、本文の内容が十分に理解できていれば、正答の選択肢を簡単に選べるからです。

もし、大問2の長文の読解が難しいと感じるのであれば、それは英語の基礎学力が足りていない、つまり、「語彙力」and / or「文法力」の問題なので、どちらの問題なのか、あるいは、その両方の問題なのかを自己分析して、まずは「語彙(単語・熟語)」and / or「文法」の学習を優先することをおすすめします。

残念ながら、リーディングスキルを短期的に伸ばす方法はありません。

語彙を増やし、高校レベルの(基礎)文法学習をしながら、平易で短い英文から始めて、徐々に難易度の高い、より長い英文を読む訓練を日々積み重ねるのが、英文読解力向上の一番の近道です。

また、英文を読むことが苦手な人は、慣れるまでは苦痛かもしれませんが、一文一文、文構造を理解しながら丁寧に読む作業を毎日続けていくことをおすすめします。(ある日突然、知らぬ間に自分の読解力が上がっていることに気付く瞬間が訪れることでしょう。)

【大問2の攻略法】

① タイトルと冒頭の1文を確認する

まず、英文(長文)の「タイトル」と「冒頭の1文」をしっかりと確認し、理解します。

これは、英文の「タイトル」と「冒頭の1文」から、その文章の「主題 (subject matter) の把握」と、「何について書かれた文章なのかという推測」ができるからです。

これをすることで、文章全体が読み易くなるはずです。

② 本文中の接続詞・接続副詞・郡前置詞などに注意する

英文の中に出てくる、接続詞・接続副詞・郡前置詞などに注意しながら読むことは、設問に解答する上で、大変重要です。

特に、空所の前後にある接続詞・接続副詞・郡前置詞などは、正解のヒントになることが多いですから、しっかりと確認します。

以下は、その一例です。

【接続詞の例】

・because((なぜなら)〜だから):文の前後に書かれていることに対する「理由」を示す。

・as long as(〜する限り):文の前後に書かれていることに対する「条件」を示す。

【接続副詞の例】

・however(しかしながら):文の前に書かれていることに対する「逆接」を示す。

・for example(例えば):文の前に書かれていることについて、具体例を出して説明する際に用いる。

【郡前置詞の例】

・according to(〜によれば):(自分の経験や主観的な意見ではなく)研究機関などの調査・研究結果や第三者からの情報の引用をする際に用いる。

【その他の例】

・A recent study showed that …(最近の研究では、〜ということが明らかにされている):文の前に書かれていることを、裏付ける情報を示す際に用いられる表現。

上記はほんの一例にすぎませんが、このような接続詞・接続副詞・郡前置詞や、その他の解答のヒントになるような表現を覚えること、そして、実際に大問2の英文を読む際に、これらに注意することは、大問2の設問から正解の選択肢を導き出すこと、つまり、大問2の正答率を上げることに繋がります。


【大問3:長文の内容一致選択問題の攻略法・学習法】

【大問3の概要】

大問3は、3つの長文が出題されます。問題数は、1番目の長文に対して3問、2番目の長文に対して4問、3番目の長文に対して5問あり、合計12問です。

問題形式は、長文の内容に関する質問に答える「長文の内容一致選択問題」です。

1番目の長文は「E-mail 形式」です。

E-mailの内容は、TOEICで出題されるようなビジネス関連のE-mailや、学校から学生に向けた「お知らせ」などが主に出題されています。

2番目と3番目の長文は、大学入試の長文読解問題で出題されるような、アカデミックな内容のものが多いです。

例えば、「(歴史・文化などの)人文系分野」、「自然科学分野」、「環境問題」などのトピックです。

【分析・所感】

大問3の長文は、大問2に比べると難しいですが、それほど難しい単語も出てきませんし、大学入試英語のレベルで言えば、中堅私大〜GMARCH・関関同立レベルで出題される平均的な難易度の英文読解問題と同程度でしょうか。

また、大問3は、設問に、やや難しいものが見受けられます。

それから、大問3の設問には、幾つかのパターンがあるので、過去問や予想問題集などで、設問の分析をしておくとよいです。

上記2点に詳細については、次の【大問3の攻略法】で解説します。

【大問3の攻略法】

【Eメール形式の読解問題の攻略法】

大問3の3つの長文読解問題のうち、最初の問題は、Eメールの読解問題です。

Eメール形式といっても、設問の回答方法は、大問3の後の2つの読解問題と変わらないのですが、Eメールの長文には、本文を読む前にしっかりと確認すべきポイントがあります。

それは、メール形式の問題では、メール本文の前に、「From (差出人)」・「To (宛先)」・「Date (日付)」・「Subject (件名)」が表示されているので、まず、それらの情報から、「誰が」・「誰に」・「いつ」・「どのような用件で」メールを送信したのかを把握してから、メール本文を読むことです。

また、本文の冒頭の一文は、大抵の場合、「Dear 〜」とメールの宛先(受信者・受取人)になっているので、そこの部分を「To (宛先)」と見比べます。

ほとんどの場合、「To (宛先)」=/≒「Dear 〜」ですが、例えば、「To (宛先)」が「会社名+部署名」 になっている場合、「Dear 〜」の部分でより具体的に「受信者・受取人」を確認できることもあります。

上記以外の点では、残りの2つの長文読解問題の攻略法と変わらないので、この後の攻略法を参考にして下さい。


【大問3の攻略法 <問題文編>】

大問3の長文(問題文)を読むのが難しいと感じる場合、読解力はすぐには伸びないので、日々の学習の中で、「語彙(単語・熟語)の増強」と「高校レベルの基礎文法の習得」に注力して下さい。

また、英文は読まなければ、読めるようにならないので、自分が理解できるレベルの英文を毎日少しずつでも読むようにします。

読む英文は、何でもよいのですが、英検対策として、もっとも学習効率が良いのは、英検の過去問や英検対策の長文問題を読むことです。

もし、英検2級の長文(問題文)を読むのが難しいなら、まずは、準2級や3級の長文問題など自分で読めると思った級のものから読み始めて、徐々にレベルを上げていくのもよいでしょう。

それから、英検の長文問題は、大問2・大問3(Eメールの読解問題は除く)ともに、歴史・文化・芸術・社会・自然・科学・環境問題などアカデミックなトピックのものが出題されるので、現役の高校生や大学受験生の方々は、大学入試用の読解問題を解いていれば、英検の長文問題対策は、過去問を何回分か解いて、出題内容・出題傾向を把握する程度で十分かもしれません。

それ以外の点では、基本的には、上述の【大問2の攻略法】と同様、以下の2つを意識して、大問3の長文(問題文)を読みます。

① タイトルと冒頭の1文を確認する

② 本文中の接続詞・接続副詞・郡前置詞などに注意する


【大問3の攻略法 <設問編>】

ここからは大問3の設問に正答するための攻略法になります。

① 設問文を正しく理解する

当たり前のことですが、1)設問文が疑問文の質問であれば、「何を問われているのか?」を正確に理解していないと、選択肢から正答を選ぶことができませんし、2)設問文が肯定文の一部であれば、それを正確に把握した上で、選択肢(=その後に続く文の後半部分)から、問題文(長文)の内容に合致した適切なものを選ばなければなりません。

これについては、実際に過去問で大問3をご確認いただければ、言わんとしていることが、ご理解いただけるはずです。

② 設問のパターンを知る

大問3の攻略法として、過去問や予想問題集・対策本などで、大問3の設問の出題パターンを予め知っておくことも重要です。

まず、設問文のパターンを知ることで、上記の攻略法 ① 設問文を正しく理解することにも繋がります。

大問3の設問は、本文に書かれている内容と一致しているものを選択肢の中から選ぶ問題(=長文の内容一致選択問題)で、①「本文から選択肢で問われている内容の該当箇所を探せば解答できる問題」②「本文全体を読まないと解答できない問題」があります。

前者は設問で問われている内容が書かれている本文の段落を見つければ、その段落を読むだけで解答できます。

最初のEメールの読解問題の本文は、文頭・文末を除く、Body(主文)が、3段落構成になっており、3つの設問は、各設問が順番に、Body(主文)のそれぞれの段落に対応した設問となっています。

後者は本文を全て読んでから、設問文の問いに合致するものを選択肢から選びます。

それから、正解の選択肢は、本文中の表現を、別の表現に換えているものが多く見受けられるので、過去問などを解いて、実際に「どのように言い換えられているのか」を確認し、慣れておくことをおすすめします。

③ 選択肢の中から正答を導き出すコツ

設問によっては、その選択肢の中から「これが明らかに正答だ」と判断するのが難しいものもあるでしょう。

例えば、4つの選択肢中、消去法で2つは明らかに誤答だと分かるが、残り2つのうち、どちらが正答なのか判断がつかないような場合です。

このような場合、迷った2つの選択肢については、「どちらの選択肢が、より正解として適切か」、例えば、選択肢の文中に、本文中では触れていないことが書かれていれば、その選択肢は誤答ということになりますし、一方で、本文中に書かれていることが、選択肢の文中で別の表現で書かれていれば、その選択肢は正答ということになる、といったことを考えることによって、正答を導き出せる可能性が高くなります。

尚、個人的な感想としては、英検2級受験者の英語レベルを考慮すると、大問3には難しい問題も含まれているので、解答するのが難しい問題については、あまり考えすぎずに、その問題は捨てて(=適当にマークして)しまって、その時間を、ライティング(英作文)や、リスニングの先読みに使った方が、結果として、総得点が上がると思います。


【英検2級の長文読解問題対策用教材】

英検2級の長文読解問題対策用教材についてですが、現役高校生や大学受験生で、普段の英語学習で大学受験用の長文読解問題集や、英文解釈の参考書などを使っているという人であれば、英検2級の長文読解問題対策用の教材を別途用意しなくてもよいと思います。

それから、長文読解問題が得意な人も、英検2級の過去問や予想問題集だけで十分足りるでしょうから、特に英検2級の長文読解問題対策用の教材は用意する必要はないでしょう。

また、下のブログ記事内でもご紹介しているとおり、「英検公式サイト」から直近3回分の過去問が無料でダウンロードできます。


但し、上述のとおり、大問2の長文を読むのが難しいと感じる人は、まずは、語彙を増やすことと、例えば、「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】 (名人の授業) 」のような文法書で、高校レベルの基礎文法を身につけることを優先することをおすすめします。

大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】 (名人の授業)


英検2級の長文問題に特化した問題集には、以下のようなものがあります。

【音声アプリ対応】英検分野別ターゲット英検2級リーディング問題 改訂版 (旺文社英検書)


尚、英検2級の大問2・大問3の対策学習をする際は、ただ問題を解いて、答え合わせをするだけではダメで、問題を解き終わった後、解説が付いている問題集であれば、それらの解説をしっかりと読むことと、実際に問題を解きながら、どういった設問のパターンがあるのかを知ることがとても大切です。


【独学での合格が難しいと思われている方へ】

当ブログ記事では、独学での英検2級合格のための学習方法をご紹介していますが、自分で学習計画を立てて独学で英検2級に合格する自信がない人や、今まで複数回受験したけれども合格できないという人は、英検対策のスクールやオンライン講座などのサービスを検討するのも宜しいかと思います。

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次回は、「大問4:ライティング問題(英作文)」対策についてご紹介します。


A burnt child dreads the fire.
火傷した子供は火を恐れる(羹に懲りて膾を吹く)


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